フェ○チオ北海道

新人監督・苅谷文が、巨匠・平野勝之を追いかける期間限定ドキュメンタリー。

動けない女満別

8月30日…深夜

「フェ○チオ北海道」も終了、「挿入北海道」はわずか3日で終了してしまった。
北海道と、それに群がる旅人を散々舐め切ったあげく、現状を受け入れようとした。どちらもムリヤリだった。ムリヤリ走った。気付けばメーターの累積走行距離は1000キロを軽く越えている。27インチ、シングルギア6段付きの街乗り自転車。通称ママチャリ。平野さんが私の誕生日プレゼントにくれたもの。平野さんに会いたかった。

今では、なぜ北海道にいるのかわからない。ただの迷子になってしまった。

どんな顔して東京に帰ればいいの?
こんなテープ持って帰ったって、何になるっていうんだ。

北海道のツーリング旅行者達のあいだで明らかに浮いている、オイラ。どこへも行きたくないのに走り、本当はみつけたくないのに、みつけようとする。一人じゃ寝ることも出来なければ、帰ることも出来ない。どこにいったらいいかわからない。みんな楽しそうだ。オイラはフリーズ。

平野さんは、「流れ者になりたい」と言っていた。群れを作らず、巣を作らず。流れていく生き方。
でも、オイラには、北海道の流れ者達はみんな「流れ者ゴッコ」に見えてしまうのだ。広いだけの基地の中をグルグル回る。景色が流れることで錯覚する。朝日と共に起きて、日が沈めば寝る。変わらないのだ何も。東京の山手線も北海道も。自分の足で歩くのはみんな同じだ。

そう、ゴッコでいい。
国取り合戦で政治が変わり、シューティングゲームをしたければ戦争をする。
ここは現実じゃない。
フレームに自分が映っている。