何も考えないで走れ
9月1日
ルート:興部道の駅→クッチャロ湖
距離:約110キロ
今日の目的地はクッチャロ湖。興部からは100キロの地点にある。今日中にここまでたどり着きたい。地図を見ると、この道中には、ほとんど何もないようだ。クッチャロ湖まで出れば、街と温泉がある。ここまで行こう。ただ、距離は100キロ以上ある。連日の疲労と、虚弱体でたどり着けるのだろうか...不安だ。
朝、5時半頃、列車の中で目が覚める。おじさんの寝袋のおかげで、どうにか眠れた。あれだけ他人に囲まれた居心地の悪い中で、よく眠れたものだ。それだけ疲れていたのだと思う。おじさんに御礼を言う。一方、おじさんは、どうやら寒さであまり眠れなかったようだ。悪い事をしてしまった。
早々に寝床を出て、自転車に積荷をしていると、おじさんと、わたしの隣で寝ていた女の子ライダーが外へやってきて、私の自転車を見てビックリしていた。「え〜ママチャリで来たの!?」と毎度の文句。いつも、この言葉を浴びせ掛けられるのは、恥ずかしい。思わず、下を向いてしまう。
どうやら、おじさんも女の子も、昨日は稚内方面からやってきたようで、私が稚内の方へ向かうと言うと、情報をくれた。といっても、「行く先、何もないよ」というだけの情報だったが…。「夜になったら、星空の下で寝ることになっちゃうよ、気をつけて」と言われた。いやぁ、オイラ、夜でも走っちゃうんですよ、これが。
んでも、「何も無い」という情報は、割と役に立つのだ。何が何でも、街に出るまで止まれないんだな、という事がわかれば、自ずと走る距離が決まる。結果、今日はクッチャロ湖まで走る以外、何もないということがわかった。
私が「今日はクッチャロ湖まで行く」と言うと、おじさんは目を丸くしてた。「バイクで行くにも心配になる距離なのに、すげーなー」だって。
それでも行くぞー。走ればいいんだ、とにかく。走れば、着く。それだけだ。
おじさんと女の子と長話をしてしまったので、少々出発が遅れる。7時半頃に道の駅を後にした。
んで、後は238号線をまっすぐ。
ひたすら走った。
オホーツク海が右手に広がっている。いつまでも変わらない景色。
途中、コンビニを発見するたびに、水分補給と休憩を取る。ここ数日間は、走行中のコンビニで食事を買って済ませることが多かった。ん〜、グルメなオイラには辛い。あとね、料理好きなオイラとしては、長いこと外食や買い食いが続くと、ストレスになってしまうのだ。自分でちゃんと作った物を食べたい。家に帰ったら、旬の野菜と魚を使って煮物を作ろう。
んで、もう、今日も「走る」以外には何もしてない。ほんまに「走る」オンリー。
途中、「どんぐりの森」っていう、両脇を森に囲まれた道を走ったりした。歌う曲はもちろん、となりのトトロの、あの歌ね。ピッタリ。
あと、カムイ岬をぐるっと走ったりね。急カーブが気持ちいい。カムイ岬を通過するには、トンネルを潜る道と、岬を眺めながら回れる道があるのだが、お勧めはもちろん後者。波を見ながらゆっくり走ってみてくれ。なかなか爽快よ。
とにかく、走る以外なにもすることがない。
なので、走行中、撮影のネタはもちろん、ステージ用のネタがいくつも思い浮かぶ。そのたびメモを取りたいのだが、走っているとそうもいかない。頭のメモに書き込むけど、色々あるうちに忘れてしまうのだ。
今日の道中に、すげーおもしろいことを思いついたのだが、すっかり忘れてしまった。もったいない。まあ、いいや。そのうち思い出すだろう。
海沿いの道は、平地なので坂は比較的少ないが、海からの横風が強く、なかなか走りづらい。向かい風にやられると、もう前に進まないので、自転車をひきずって歩くほかないのだ。風は坂道より辛いかもしれない。直面すると、ペダルが固くなるので、思い切り踏み込まなくてはならない。体重を前にかけるため、腕の力も相当使う。全身に余計な力がかかるため、体力が消耗するのだ。
あと、海を走るより、山の方が楽しいかもしれないなぁ、なんて思った。海沿いの道は、平坦な景色が続くばかりで、飽きてしまうのだ。山道は、そりゃあ、大嫌いな虫はいるし、深い森に囲まれてて怖いけど、峠の先には、必ず下り坂が来る事がわかっている。辛い上り坂を終えた後、森の中を猛スピードでビューンと駆け下りていくのは、実に爽快である。まさに、「もののけ姫」の世界。オイラ、もののけ姫だーーい!ワハハ〜!ってな気分になる。実際、あのテーマソングを何回歌った事か。♪はりつめたーゆみのー、ってアレね。それ以降の歌詞がよくわからんので、テキトーだが。
そしてね、それぞれの峠道に、それぞれのドラマがあるのに気づいた。峠には、出会いと別れのような物悲しさがあるのだ。これは、車で峠を越えた人には絶対に発見できないものだと思う。
苦しみの先の美しさに価値を覚えない私であったが、一ヶ月もこんな道を走っているうちに、嫌でも体が順応していったようだ。やはり、人間の世界は「思い込み」で構築されているのだな、と改めて認識する一瞬であった。
んで、クッチャロ湖に着いた。17時過ぎだった。無事、100キロ完走。
ライダーハウスに一度も泊まったことがないので、ここ数日続いている「貧乏ゴッコ」を続行すべく、ライダーハウスに泊まってみようと思う。共同部屋で、1000円以下の値段で安く泊まれる、ライダー専用の宿をこう呼ぶんだそうだ。んで、探す。地図を見ると、湖の近くに一軒あるらしいのだ。グルグル回って探してみるが、見当たらない。なんだよ、このアバウトな地図め!!路線の真ん中にマークがついてるだけじゃないか!こんなんで目的地が探せるか、バカ!もっと詳しく書きやがれ!
無理もない。私が持っている地図はバイクのライダー専用の地図で、その通り、バイクで走る用に作られているのだ。そのため、地図の範囲が広い。重要なポイントだけが記載されていて、細かいことは省いてある。車やライダーにはお役立ちかもしれないが、限りなく徒歩に近いスピードの私には不便である。ちなみに、この地図は平野さんとおそろい。「俺はこれを見て動くから、これを買っておけ」と教えてもらった。事前に、地図の読み方なども軽く伝授してもらったのだ。だけど、オイラ、”地図の読めない女”なのよねぇ〜。基本的な距離の数え方はわかったけど、地図に沿って動くということが出来ない。目の前にある道は、道であって、地図上の線として解釈できないのだ。
探し回っている途中、ちょうどクッチャロ湖に夕日が沈んでいくのが見えたので、いったん手を休め、湖の方へ。曇りではっきり綺麗にはみえなかったけど、雲の隙間から真っ赤な夕日が確認できた。湖に沈んでいくのをみていた。日が沈む前に到着できてよかった。100キロ以上走ったのかぁ...実感がないや。
んで、さすがに宿探しなんかに時間をかけるのは嫌だったので、あっさりと貧乏ゴッコを終了させ、湖の近くの温泉宿に泊まることに。温泉に入って疲れを取ろう。でないと、明日の走行が厳しくなる。
そう、明日は最北端・宗谷岬まで行くのだ。だけど、そこが到着点ではない。通過して、稚内まで行く。距離は約90キロ。連続で長距離走行をすることになる。体力がもつだろうか…。
クッチャロ湖の温泉は、まあ、65点といったところ。
やっぱ、留辺蘂町で入った、塩別つるつる温泉がナンバーワンですわ!あれには敵わないね〜!化粧水いらずなくらい、肌がつるつるになるのだ。北海道を訪れる女性には、一度入っておくことをお勧めする。ちなみにこのつるつる温泉、山に囲まれた中に位置しているので、携帯が通じない。ご注意を。オイラは、逆にそれが快適だったけどね。2泊したけど、誰にも邪魔されないひとりっきりの時間を満喫したわ〜い。温泉も、夜中に入って、貸し切り状態で楽しめたし、料理は美味しかったし、昼寝もしたし、ぜーたくだったわい。
失礼、話がそれた。
んで、なんだかんだで寝たのは2時くらい。明日、早めに出なきゃいけないのに、こんな時間にしか眠れない、オイラ。どこへいっても、夜行性だけは直らないようだ。
ルート:興部道の駅→クッチャロ湖
距離:約110キロ
今日の目的地はクッチャロ湖。興部からは100キロの地点にある。今日中にここまでたどり着きたい。地図を見ると、この道中には、ほとんど何もないようだ。クッチャロ湖まで出れば、街と温泉がある。ここまで行こう。ただ、距離は100キロ以上ある。連日の疲労と、虚弱体でたどり着けるのだろうか...不安だ。
朝、5時半頃、列車の中で目が覚める。おじさんの寝袋のおかげで、どうにか眠れた。あれだけ他人に囲まれた居心地の悪い中で、よく眠れたものだ。それだけ疲れていたのだと思う。おじさんに御礼を言う。一方、おじさんは、どうやら寒さであまり眠れなかったようだ。悪い事をしてしまった。
早々に寝床を出て、自転車に積荷をしていると、おじさんと、わたしの隣で寝ていた女の子ライダーが外へやってきて、私の自転車を見てビックリしていた。「え〜ママチャリで来たの!?」と毎度の文句。いつも、この言葉を浴びせ掛けられるのは、恥ずかしい。思わず、下を向いてしまう。
どうやら、おじさんも女の子も、昨日は稚内方面からやってきたようで、私が稚内の方へ向かうと言うと、情報をくれた。といっても、「行く先、何もないよ」というだけの情報だったが…。「夜になったら、星空の下で寝ることになっちゃうよ、気をつけて」と言われた。いやぁ、オイラ、夜でも走っちゃうんですよ、これが。
んでも、「何も無い」という情報は、割と役に立つのだ。何が何でも、街に出るまで止まれないんだな、という事がわかれば、自ずと走る距離が決まる。結果、今日はクッチャロ湖まで走る以外、何もないということがわかった。
私が「今日はクッチャロ湖まで行く」と言うと、おじさんは目を丸くしてた。「バイクで行くにも心配になる距離なのに、すげーなー」だって。
それでも行くぞー。走ればいいんだ、とにかく。走れば、着く。それだけだ。
おじさんと女の子と長話をしてしまったので、少々出発が遅れる。7時半頃に道の駅を後にした。
んで、後は238号線をまっすぐ。
ひたすら走った。
オホーツク海が右手に広がっている。いつまでも変わらない景色。
途中、コンビニを発見するたびに、水分補給と休憩を取る。ここ数日間は、走行中のコンビニで食事を買って済ませることが多かった。ん〜、グルメなオイラには辛い。あとね、料理好きなオイラとしては、長いこと外食や買い食いが続くと、ストレスになってしまうのだ。自分でちゃんと作った物を食べたい。家に帰ったら、旬の野菜と魚を使って煮物を作ろう。
んで、もう、今日も「走る」以外には何もしてない。ほんまに「走る」オンリー。
途中、「どんぐりの森」っていう、両脇を森に囲まれた道を走ったりした。歌う曲はもちろん、となりのトトロの、あの歌ね。ピッタリ。
あと、カムイ岬をぐるっと走ったりね。急カーブが気持ちいい。カムイ岬を通過するには、トンネルを潜る道と、岬を眺めながら回れる道があるのだが、お勧めはもちろん後者。波を見ながらゆっくり走ってみてくれ。なかなか爽快よ。
とにかく、走る以外なにもすることがない。
なので、走行中、撮影のネタはもちろん、ステージ用のネタがいくつも思い浮かぶ。そのたびメモを取りたいのだが、走っているとそうもいかない。頭のメモに書き込むけど、色々あるうちに忘れてしまうのだ。
今日の道中に、すげーおもしろいことを思いついたのだが、すっかり忘れてしまった。もったいない。まあ、いいや。そのうち思い出すだろう。
海沿いの道は、平地なので坂は比較的少ないが、海からの横風が強く、なかなか走りづらい。向かい風にやられると、もう前に進まないので、自転車をひきずって歩くほかないのだ。風は坂道より辛いかもしれない。直面すると、ペダルが固くなるので、思い切り踏み込まなくてはならない。体重を前にかけるため、腕の力も相当使う。全身に余計な力がかかるため、体力が消耗するのだ。
あと、海を走るより、山の方が楽しいかもしれないなぁ、なんて思った。海沿いの道は、平坦な景色が続くばかりで、飽きてしまうのだ。山道は、そりゃあ、大嫌いな虫はいるし、深い森に囲まれてて怖いけど、峠の先には、必ず下り坂が来る事がわかっている。辛い上り坂を終えた後、森の中を猛スピードでビューンと駆け下りていくのは、実に爽快である。まさに、「もののけ姫」の世界。オイラ、もののけ姫だーーい!ワハハ〜!ってな気分になる。実際、あのテーマソングを何回歌った事か。♪はりつめたーゆみのー、ってアレね。それ以降の歌詞がよくわからんので、テキトーだが。
そしてね、それぞれの峠道に、それぞれのドラマがあるのに気づいた。峠には、出会いと別れのような物悲しさがあるのだ。これは、車で峠を越えた人には絶対に発見できないものだと思う。
苦しみの先の美しさに価値を覚えない私であったが、一ヶ月もこんな道を走っているうちに、嫌でも体が順応していったようだ。やはり、人間の世界は「思い込み」で構築されているのだな、と改めて認識する一瞬であった。
んで、クッチャロ湖に着いた。17時過ぎだった。無事、100キロ完走。
ライダーハウスに一度も泊まったことがないので、ここ数日続いている「貧乏ゴッコ」を続行すべく、ライダーハウスに泊まってみようと思う。共同部屋で、1000円以下の値段で安く泊まれる、ライダー専用の宿をこう呼ぶんだそうだ。んで、探す。地図を見ると、湖の近くに一軒あるらしいのだ。グルグル回って探してみるが、見当たらない。なんだよ、このアバウトな地図め!!路線の真ん中にマークがついてるだけじゃないか!こんなんで目的地が探せるか、バカ!もっと詳しく書きやがれ!
無理もない。私が持っている地図はバイクのライダー専用の地図で、その通り、バイクで走る用に作られているのだ。そのため、地図の範囲が広い。重要なポイントだけが記載されていて、細かいことは省いてある。車やライダーにはお役立ちかもしれないが、限りなく徒歩に近いスピードの私には不便である。ちなみに、この地図は平野さんとおそろい。「俺はこれを見て動くから、これを買っておけ」と教えてもらった。事前に、地図の読み方なども軽く伝授してもらったのだ。だけど、オイラ、”地図の読めない女”なのよねぇ〜。基本的な距離の数え方はわかったけど、地図に沿って動くということが出来ない。目の前にある道は、道であって、地図上の線として解釈できないのだ。
探し回っている途中、ちょうどクッチャロ湖に夕日が沈んでいくのが見えたので、いったん手を休め、湖の方へ。曇りではっきり綺麗にはみえなかったけど、雲の隙間から真っ赤な夕日が確認できた。湖に沈んでいくのをみていた。日が沈む前に到着できてよかった。100キロ以上走ったのかぁ...実感がないや。
んで、さすがに宿探しなんかに時間をかけるのは嫌だったので、あっさりと貧乏ゴッコを終了させ、湖の近くの温泉宿に泊まることに。温泉に入って疲れを取ろう。でないと、明日の走行が厳しくなる。
そう、明日は最北端・宗谷岬まで行くのだ。だけど、そこが到着点ではない。通過して、稚内まで行く。距離は約90キロ。連続で長距離走行をすることになる。体力がもつだろうか…。
クッチャロ湖の温泉は、まあ、65点といったところ。
やっぱ、留辺蘂町で入った、塩別つるつる温泉がナンバーワンですわ!あれには敵わないね〜!化粧水いらずなくらい、肌がつるつるになるのだ。北海道を訪れる女性には、一度入っておくことをお勧めする。ちなみにこのつるつる温泉、山に囲まれた中に位置しているので、携帯が通じない。ご注意を。オイラは、逆にそれが快適だったけどね。2泊したけど、誰にも邪魔されないひとりっきりの時間を満喫したわ〜い。温泉も、夜中に入って、貸し切り状態で楽しめたし、料理は美味しかったし、昼寝もしたし、ぜーたくだったわい。
失礼、話がそれた。
んで、なんだかんだで寝たのは2時くらい。明日、早めに出なきゃいけないのに、こんな時間にしか眠れない、オイラ。どこへいっても、夜行性だけは直らないようだ。
