フェ○チオ北海道

新人監督・苅谷文が、巨匠・平野勝之を追いかける期間限定ドキュメンタリー。

本当に平野勝之を発見しました!

9月2日…夜

稚内フェリー乗り場近くのホテルにチェックイン。時刻は21時半。

携帯に着信アリ、相手は、自然愛好家青年M君だった。
ちょうど、私が宗谷岬に着いた頃に電話があったようだ。夜遅かったが、かけなおしてみる。

以下、会話を簡単に再現。

「あ、もしもしー、苅谷です。電話くれました?」
「あ、はいー。平野監督を発見しました。」
「え!!!」
「はい。屈斜路湖で。」
「いつですか!」
「31日です。その時に電話しようと思ったんですけど、8月いっぱいで東京に戻るって言ってたから、もう遅いかなーと思いまして…」
「まだいるよーー、まだ最北端目指してる途中よー、宗谷を通って、ちょうど稚内に来たところよー」
「そうだったんですか!あー、すいません、早く言えばよかった。」
「いえいえ、大丈夫です。で、どんな感じで発見を?」
「えーっと、あれから(塘路で別れてから)屈斜路湖に移りまして、和琴半島(屈斜路湖に面した小さな半島)が気に入ったんで、そのキャンプ場に何日かテントを張ってたんですよ。そしたら、30日に監督が僕のすぐ近くにテントを張りに来まして。その時は、本人だと気付かなかったんですけど…、気付かないまま、お話ししてました。」
「そうなんだ!」
「で、翌日、31日に、そういえば写真の人に似てるな〜って思って、「平野さんですか?」って聞いたら、「はい」って。で、本人だってわかったんですけど」
「あーー」
「いや、ほんと、すみません。その時、連絡してればよかったですね…、平野さんも「あいつもう帰ったよ」って言ってたんで、てっきりもう東京にいるものかと。とりあえず報告だけはと思って、今ごろになって電話したんですけど…、あー、まだ北海道にいたんですねぇ・・・すみません」
「いや、いいんですよ、ええ、ああ、そうか…M君が平野さんを発見するってオチか…そうか…」
(※それにしても、「帰った」とは、どこ情報だ?平野さんに誰かが私の情報を横流ししていたと推測される。)
「よりによって、最北端に着いた日に、すみません」
「いいんですよ。仮に31日に報告を頂いたとしても、その時、私はオホーツク海沿いを走ってたんで、すぐには屈斜路に引き返せない位置にいましたから...。それに、あれからすぐ、平野さんの帰りの飛行機の便がわかったんです。でも、私は、会わずにそのまま最北端を目指すことに決めました。だから、これでよかったんです。M君が発見してくれてよかったです。」
「あー、そうだったんですか。いやぁ〜、ビックリしましよ。本人だ!って気付いた時は。まさかこんなにあっさり本人が現われるとは思ってませんでしたから。最初、コレ、ヤラセなのかと思いました。どっかでカメラ回ってるんじゃないかと…」
「それなら、どんなにいいことか…」


というわけで、私が一ヶ月かかって探し出せなかったものを、M君はあっさりと発見してしまった。
私とM君が別れてから、実に4日目のことだった。

前の日記にも書いたが、私はあの時、「M君と一緒に森にいるのもいいなぁ」という気にもなっていたのだ。もし、あのままM君と行動を共にしていれば、キャンプ場で平野さんに会うことができたのだ。旅を満喫中のニコニコの平野さんを撮ることができた。東京では絶対見られない、平野監督の開放感溢れるお顔。惜しいことをした…。いや、今更言ってもしょうがない。考えるのはよそう。

ようするに、野生動物は、野生動物を愛するものの手によって発見させる。

そうゆうことですね。
教訓になりました。


で、それから暫く長話にふけった。
私がサロマ湖道の駅でM君から頂いたレスキューシートを活用したことや、4日間で女満別から稚内まで走ったことなど、話した。
すごく驚いてた。
特に、私がレスキューシートを使ったことに驚いていた。
まさか本当に使うとは思ってなかった、と。
私もさ…。

M君の方も、その後も森を堪能しているとのことで、相変わらずよくわからない森の生き物の話を聞いた。

諸々の御礼を言い、電話を切った。

私がM君を「ウザくない」のは、彼が純粋だからであろう。彼はホンモノの自然愛好家なのだ。「好き」という気持ちだけで行動している。そうゆう人をみるのはいい。

そういえば、M君は平野さんと自分のツーショット写真を撮ってくれたのだそうだ。
帰ったら私に送ってくれると言ってくれた。有難い。
彼が平野さんを発見してくれてよかった。

M君は野生動物の写真を撮るのが趣味で、コレクションしているそうだが、そのコレクションの中に、ぜひ平野勝之という野生動物も加えて頂きたいものだ。